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エミリー・ウングワレー展 北欧のテキスタイルを思わせる作品(ユートピア パネル)、マリーローランサンの絵のような作品(私の故郷)、江戸着物の縞模様のような配色の作品(ユートピア パネル)、291.1×801.8センチもの大作(ビッグ・ヤム・ドリーミング。驚くことにこの大作は2日で完成したそう。)等など。土俗的なテーマを持ちながら、そのどれもが洗練されていて、誰も真似できない独自の作品ばかりだった。 アボリジニの伝統的生活を送りながら、儀礼のボディーペインティングや砂絵を描いていた彼女は、西洋美術に何の接点もないまま、89年から96年の86歳で没するまで、8年間に3, 4千点に及ぶアクリルの抽象作品を残した。 彼女の絵にはどれもリズムがある。きっと先祖代々受け継がれたアボリジニのリズムがDNAにしっかり組み込まれていて、抽象画に表われたのだろう。 背景は、アボリジニ独自の世界観。テーマはエミュ(オーストラリアに生息するダチョウに似た鳥)・ヤムイモ(さつま芋に似た芋)・ブッシュ(オーストラリアの未開墾の荒野・林・森)・カーメ(ヤムイモの種)故郷等など。 作品の上下はない。何故なら彼女はカンバスを地面に置きいろいろな方向から描いていた為。作品を下に置いて、いろいろな方向から見てみたい。こんな展覧会があってもいいのにな。 今回音声ガイドをはじめて利用してみた。普段は作品の説明書きも読まずに直感だけで見ていたのだが、真野響子さんのガイドと言うことなので(彼女の声が好きなので。)今回は借りてみた。 先入観を持って作品を見ることは好きではなかったが、聴きながらじっくり見ていると、不思議にゆっくりと落ち着いて集中してみることが出来た。ガイド音声が外界から私を遮断してくれたおかげで集中できたのかもしれない。 彼女はこの世にもういない。しかし不思議と彼女を感じながら作品を見た気がする。彼女のエネルギーを感じながらと言ったほうが良いかも。 見終わって、元気になれた。 エミリー・ウングワレー展 国立新美術館
by lumier_e
| 2008-06-29 07:09
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